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【日本I50】 越境ECで利益を守る設計術は売る技術より守る技術2026.05.01

越境ECで利益を守るには「売る設計」より「守る設計」が重要。アプリコストの最適化、国別収益シミュレーションに基づく多言語対応、不正注文対策を初期設計に組み込む制作会社こそ、選ばれる存在になります。

 

 1. 制作会社(業者)の皆様、
こんな相談を受けたことはありませんか?

①この一言、心当たりのある方も多いのでは。

「Shopifyで 越境サイトを作ったはいいけど、
 なんだか、利益が残らないんですよね……」

 

原因を探ると、大体以下に行き着きます。

 ・運用コストのブラックホール化
 ・現場スタッフの疲弊

 

 

②我々制作者はついサイトのデザイン
や、 機能ばかりに目を奪われがちです。

 

しかし、越境ECにおいて真に恐ろしいのは、売上
が立っているにもかかわらず 「原価と間接コスト」
によって、利益が静かに死んでいくプロセスです。
  ↓
格好いいサイトを納品した翌月に、クライアント
から「思ったより利益が出なくて……」という連
絡が来たとき、あなたはどう答えますか?

 

 

③今回は、制作会社(業者)としてクライアントの
「利益率」を守るための武器について、お話します。

 

 

 

 2.「アプリ地獄」という名のコスト爆弾

①Shopifyで、 越境ECを運用している事業者
が直面する最大の悩み、それが「アプリ地獄」。

・多言語対応
・商品レビュー機能
・お気に入り登録(ウィッシュリスト)
・ちょっと凝った割引施策
(バンドル販売・段階割引・クーポン)
・顧客セグメント別メールマーケティング

 

 

②Shopifyは コア機能が 極めてシンプルに設計
されているため、これらを実現しようとすると
月額数千円〜数万円の有料アプリを次々とイン
ストールすることになります。

 

よく使われるアプリでも月額数千円以上かかるもの
が多く、運営フェーズに応じた取捨選択が重要です。
  ↓
現場では、以下のように積み上がっていき、
気づけば アプリだけで 月5〜10万円以上が
飛んでいるケースも珍しくありません。

・多言語アプリに月額約1,800〜3,000円
・レビューアプリに月額1,500〜2,000円
・プッシュ通知アプリに月額3,000円超……

 

 

③ここで一言。

クライアントに、「Shopifyでやるとアプリ代だ
けで年間数十万円飛びますよ」と、伝えた上で、
提案を組み立てるのがプロの仕事です。
  ↓
制作会社(業者)の皆様、この視点はクライ
アント提案において、大きな武器になります。

 

また、日本国内で Shopifyを導入している店舗
は、2025年4月時点で、38,000を超えています。

市場が成熟してきたからこそ「立ち上げの設計段階
で、コスト構造まで見据えた提案ができる制作会社」
の価値が、ますます高まっています。

 

 

(例❶)ダイソーに学ぶ「コスト設計と構造」

⑴ 100円ショップのダイソーはShopifyを活用して
B2C ECサイトと、B2B ECサイトを運営しています。

個人向けには全国展開する「ダイソーネットストア」、
法人向けには、 小ロット対応の 「DAISOオンライン
ショップ」と「大量注文サイト」 など、 ニーズに合
わせた複数のECサイトを展開しています。

 

 

⑵ スピーディにサイト構築できる「Shopify」
を利用したことで、売上は約4倍、サイト訪
問数は約2.5倍に増加しました。

 

 

⑶ この事例で 注目すべきは、 B2B向けの卸
売機能を「別サービス」ではなく、Shopify
内で完結させている点です。

 

もし 別プラットフォームで卸売サイトを作って
いたら、その月額費用だけで、 数万〜数十万円
の追加コストになっていたはずです。
  ↓
Shopify上で、B2B機能を一元管理する設計思
想が、「間接コストの圧縮」に直結しています。

 

 

(例❷)スニーカーブランドのAllbirds

⑴ Allbirdsは日本向けにShopifyを活用したオンライ
ンストアを開設し、 実店舗との連携を強化しました。

店頭では、 Shopify POSを使って在庫確認を行い
店舗になかった品は、その場で購入手続きを行い
郵送できるようにするなど、 よりスムーズな「買
い物体験」を実現しています。

 

⑵ 実店舗と 越境ECのデータを 一元化すること
で、在庫管理のダブルカウントや欠品ロスを防
ぎ、 運用コストを削減しながら、 「顧客体験」
を向上させています。

 

 

 

 4. 越境ECの利益泥棒「多言語対応」をスマートに制す

①越境サイト制作で必ず直面するのが「多言語対応」 

 

観光庁の 観光立国推進基本計画では、2030年に
訪日外国人旅行者数6,000万人、訪日外国人旅行
消費額15兆円という目標が据え置かれています。
 ↓
これは、インバウンドだけでなく、越境EC
の 強烈な追い風以外の 何物でもありません。

 

 

②海外から日本の商品を「すでに知っている」
消費者が増え続けているということは、越境
ECサイトへのニーズが構造的に高まっている
ということです。

 

しかし、 ここで安易に「とりあえず全部
Google翻訳で英語にしてください」とす
すると、数年後に大変な目に遭います。

 

 

③重要なのは「マーケット別ローカライズ戦略」。

【戦略❶】国別の商品表示制御

⑴「この商品は 輸出規制や関税の関係で 中国向け
には販売できない」という場合、Shopify Markets
では、 国ごとに 商品の価格や関税・配送・決済な
どを自由に設定できます。

 

⑵ 特定の国向けには非表示にする、あるいは別価
格で表示する といったきめ細かい制御が可能です。

 

これを設計段階で組み込まずに「全商品を全言語
で表示」してしまうと、 関税計算が合わない商品
で 売るたびに赤字になる、という悲惨な事態が起
こります。

 

 

【戦略❷】在庫引き当て先の指定による物流費最適化

⑴ US向けは 米国の倉庫から、 アジア向けは
日本の倉庫から発送する、といった在庫引き
当て先の「分離設計」は、 Shopifyの越境EC
機能を活用することで実現できます。

 

⑵ 国際配送コストは商品単価の数十パーセント
を 占めることもあるため、物流設計を間違える
と利益率がゼロどころかマイナスになります。

これは単なる多言語対応ではなく、利益を最大化
するための「見せる・見せないの戦略設計」です。

 

⑶ クライアントが「とりあえず全部の商品を
英語にしてください」 と言ってきたら、以下
のように諫めるのが、プロの仕事です。

 

「ちょっと待ってください。
 それ、関税で売るたびに赤字にな
 る商品も、 翻訳しちゃってますよ。

 まず、 国別の収益シミュレ
 ーションから 始めませんか?」

 

 

 

 5. 越境EC「不正対策」と「顧客分析」の見えない防衛線

①制作会社として絶対に外せない視点は、以下。
「セキュリティと不正利用対策」

 特に見落としがちなのが、
 越境ECにおける不正注文リスクです。

 

 

②越境ECは残念ながら、世界中の
悪意あるアクセスにも 晒されます。

・フィッシング目的の試し注文
・盗難カードを使ったカード不正利用
・大量注文からのチャージバック詐欺……
    ↓
これらは国内ECに比べて、圧倒的に発生
リスクが高く、 しかも被害が発覚するの
は数週間後というケースが大半です。

 

 

③利益を「見えない穴」から守るための設計とし
て、以下を制作段階から組み込むことが、不可欠。

 

【設計❶】特定国・特定IPからのアクセス制限:

リスクの高い地域からの注文を自動
フラグ化、または非表示にする設定。

 

【設計❷】高リスク注文の自動検知と警告機能:

Shopify標準の 不正分析機能を活用し、
高リスク注文には手動確認フローを挟む。

 

【設計❸】RFM分析の活用:

優良顧客を可視化し、マーケティングコストを優
良顧客に集中投下することで広告費の無駄を削る。

 

RFM分析とは、顧客を以下の3つの指標で評価する手法のこと。
R(Recency)=最後に買った日
F(Frequency)=購入回数
M(Monetary)=合計購入金額

この3軸で顧客をグループ分けし「優良顧客」「離れかけて
いる顧客」 などを見つけて、 的確なアプローチができます。

 

 

③制作段階でこのレイヤーまで設計思想に入
っている制作会社は、 そう多くはありません。

だからこそ、ここを「武器」にするのです。

 

 

 

 6. まとめ(あなたならどう設計する?と問われた時)

①越境ECサイト制作の依頼は単なるホ
ームページ構築 の依頼ではありません。

それはクライアントの「海外事
業部長」の右腕になる依頼です。

 

 

②Shopifyは素晴らしいプラットフォームです。

世界のECサイト市場において、 Shopifyは、シェア
23%を占め、世界では圧倒的第1位となっています。
 ↓
それだけの実績と信頼がある プラットフォームだ
からこそ、 「シンプルさ」が時に「アプリコスト」
という負債に変わるトラップがあります。

 

この構造を理解している制作会社こそが、
長期的にクライアントから「選ばれます」。

 

 

③越境EC設計の守る技術を一言でまとめるなら、以下。

【技術❶】アプリコストの棚卸しから設計を始める

 以下の提案がクライアントの利益を直接守る。
「月額費用の積み上がりをゼロベースで見直す」

 

【技術❷】多言語≠全商品公開

国別の収益シミュレーションなしに、翻訳を進
めると、赤字商品を海外にばらまくことになる。

 

【技術❸】物流設計はコスト設計

どの倉庫からどの国に送るかを決めることは、
「物流費」という、最大コストの設計である。

 

【技術❹】不正対策は初期設計に組み込む

制作後の「後付け」では手遅れになるケースが多い。

 

 

④「社長、このサイトはただ売るだけじゃないですよ。
 余計なアプリ代を削って、関税トラブルを減らして、
 不正注文を自動で弾くように設計しましたからね。」

 そう言って納品できる日を、楽しみにしています。

 

 

(参考)Shopify特有の「アプリ依存症」への対処療法

 

 

 

著者プロフィール(おおつき):
中国 IT歴 17年の日本人。Shopifyによる自社ECサイト
制作、 WordPressによるサイト制作、LinkedInやブロ
グ記事を含むコンテンツ制作を得意としています。

 

 

 

 

 

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