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【日本H57】 ASEAN(越境EC)で 選ばれる企業になるための関門2026.01.30
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1. ASEAN市場:熱い視線の先にある現実
①ここ数年、多くの日本企業が、
成長市場として熱い視線を送るASEAN。
特に越境ECは、コロナを経て消費行動
が 一気にオンライン化したこともあり、
かつてないほどの注目を集めている。
②しかしいざ参入してみると、思いがけない波風
に船体が、大きく揺さぶられることも少なくない。
日本国内で通用した常識が全く通じず、 ただ商
品を「翻訳して発送する」だけの 旧来のモデル
では、もはや太刀打ちできないことは、多くの
先駆者たちが身をもって証明している。
③では、どうすれば良いのか。
答えは以下をゼロから理解することに尽きる。
「現地の消費者が何を求め、
どのように生き、何を心から喜ぶのか」
④今回は、日系企業がASEANの越境ECで「売れる」を
超えて、「選ばれる」存在になるために、必ず越えなけ
ればならない以下の5つの関門についてお話する。
・文化の壁
・法規制の壁
・決済の壁
・物流の壁
・集客の壁
2.【関門❶】文化の壁(言葉以上に重要な価値の通訳)
①一番大きく、最も見落とされがちな壁が 「文化の壁」である。
日本では、以下のような当然の「価値提案」が、
そのままの形で現地の心に刺さるとは限らない。
・高品質
・シンプル
・丁寧な作り
②必要なのは「翻訳」ではなく価値観
そのものを橋渡しする「通訳」である。
③重要なのは、 商品スペックをそのまま伝える
のではなく、自社の「強み」が現地の生活や仕
事の中でどのように「幸せ」や「解決」に変わ
るのかを、現地の文脈で語り直す「通訳」能力。
3.【関門❷】法規制・商習慣の壁
(知らなかったでは済まされない、信頼の土台作り)
①国ごとに複雑に異なる法規制と商習慣。
食品や 化粧品、電化製品の規制は
実は、BtoB商材も無関係ではない。
例えば、 以下のような分野によっては日本
とは、全く異なる基準を満たす必要がある。
・工業用潤滑油の化学成分規制
・建築資材の認証基準(例えばマレーシア
のSIRIM認証や、インドネシアのSNI認証)
・電気部品の安全規格 など
インドネシアでは、食品、医薬品、化粧品など
は BPOM(国家食品薬品監督庁)の認可が必須。
②さらに目に見えない「商習慣」の
違いもビジネスの大きな障壁となる。
・契約書の重みづけ
・支払い条件(前払い比率や手形の使用)
・商談の進め方
・意思決定のスピード など
③日本での常識は通用しないことが多々ある。
「現地のパートナーと代理店契約を結
んだのに思うように販売が進まない」
そんな事例の背景には、 日本式の「あうんの呼吸」
や 「長期的な関係性を築いてから」 を求めるあま
り、契約内容や、役割分担、KPIの設定が曖昧だっ
た、というケースが頻繁に見られる。
④この関門を突破する、唯一の鍵は、徹底的な
「事前調査」と「プロフェッショナルへの依頼」。
進出を検討する市場の 法律事務所、 税理士などの
力を借りることは、 初期コストではなく、 未来の
大きなリスク (罰金、商品没収、信用失墜) と 無駄
な時間を削減する「最重要投資」である。
「信頼」はASEANビジネスの通貨そのもの。
4.【関門❸】決済・資金決済の壁
(クレジットカード前提を捨てる覚悟)
①日本の BtoB取引では、 銀行振込と
クレジットカードが主流かもしれない。
しかし ASEANでは、 国によって全く異なる風景
が広がっており、「クレジットカードが当たり前」
という前提は早急に捨てる必要がある。
↓
現地の「最も楽で安心できる支払い方法」
を用意できないことは、ビジネスの最初
のハードルを不必要に高くしてしまう。
②インドネシアでは「Bank Transfer(銀行振込)」
が依然として根強く、 特にBtoB取引では標準的。
③ベトナムでは 「COD(代金引換)」が BtoCのみ
ならず、小口のBtoB取引でも広く利用されている。
④シンガポールや マレーシア、 タイでは、 ペイ
メントゲートウェイと連携した「QRコード決済」
や独自の電子ウォレット (GrabPay、ShopeePay、
TrueMoneyなど) が急速に普及し、 利便性から、
ビジネスシーンにも浸透しつつある。
⑤タイでは、2023年時点で、QRコード決済
「PromptPay」のユーザー数が約6,000万人
に達している。
⑥特に中小企業との取引では、
この壁は想像以上に高いものである。
決済は単なる「手続き」ではなく「取引の体験」
そのものを左右し、購入の心理的障壁を大きく
上下させる。
↓
現地の主流決済に対応することは、ビジネスを
始めるための必須条件と考え、複数の選択肢を
用意することが求められる。
ペイメントサービスプロバイダー(PSP)を 選ぶ
際も、一つの国に特化したものより、複数国の主
要決済手段を「一括管理できるサービス」を検討
するのが現実的である。
5.【関門❹】物流・運用の壁
(届けるから、納得して待ってもらう体験への進化)
①越境ECの最大級不安要素は依然として物流にある。
以下のような不安は BtoCだけでなく、 BtoBでも、
必要な部品や資料が、予定通りに届かないことで、
現地企業の業務に直接的な影響を与え「信頼」を
大きく損なう。
・いつ届くのか分からない
・送料が高すぎる
・通関で止まっている
②この壁を崩すカギは、技術とコミュニケー
ションによる「透明性」と「確実性」の提供。
具体的には以下の要素が不可欠。
・明確なリードタイム: 「5~7営業日」ではなく、
「10月25日到着予定」という具体的な日付を示す。
・事前に明確な送料・関税見積もり: 最終支払額の
サプライズをなくす「All-inclusive Pricing」の表示。
・24時間追跡可能なトラッキングシステム: 荷物の現
在地がリアルタイムで分かることは安心感に直結する。
・万一のトラブル時の現地対応窓口: 現地言語で対応
できるカスタマーサービスは、信頼の最終保証となる。
③これらを整えることはコストと手間がかかるかもしれない。
しかし、 これは単なる「配送コスト」ではなく、
「信用を構築するためのマーケティングコスト」
だと捉えるべき視点の転換が必要である。
↓
信頼できる現地の物流パートナー(LazadaのLogistics、
ShopeeのSPX Expressなど) を見つけ、 配送プロセス
そのものを 「安心のブランド体験」 に昇華させること
ができた時、御社の商品は、「確実な解決策」として選
ばれるようになる。
6.【関門❺】集客・流通経路の壁
(日本のデジタル地図は一度忘れること)
①日本では 自社ECサイトへのSEO/SEMや、 業
界展示会といったチャネルが主流かもしれない。
しかしASEANでは、この地図
が大きく塗り替えられている。
↓
現地の「デジタル生態系」を深く理解し、
その中にどう適応し、溶け込むかを戦略
の中心に据えることが重要である。
(例❶)インドネシアの「デジタル伝統市場」
TokopediaやBukalapakは、 BtoCだけでなく、零細
企業や個人事業主向けのBtoB小口取引(文具、事務
用品、小さな工具、ユニフォームなど) でも圧倒的
なシェアを持つ。
現地の小さな工場長や、事務担当者は、これらの
プラットフォームを 「デジタル問屋」として使い、
日常の業務用品を調達している。
↓
公式ストアを出店し、企業アカウントと
して、信頼を構築することが近道である。
(例❷)ベトナムの「信頼とスピード」のプラットフォーム
「Tiki」は 正規品保証と急速配送を武器に、 IT機器
やオフィス家電で強いブランド力を発揮している。
↓
企業の購買担当者も、迅速に、確実な
商品が手に入る場として認識している。
高価格帯のビジネス向け商品でも、 Tiki上
での評価と保証は、大きな購買動機になる。
(例❸)地域SNSとショッピングエンターテインメントの台頭
⑴ タイではLINE、ベトナムではZaloがビジネスシー
ンを含む 生活のあらゆる場面で、 深く浸透している。
公式ビジネスアカウントを通じたカスタマーサ
ポートや情報発信は非常に有効な接触点となる。
⑵ つまり、自社の商材が、現地のビジネスパーソン
に 「どのような情報経路で発見され、どのプラット
フォームで比較・検討されているのか」を特定する
ことが、集客の第一歩。
日本式のアプローチを そのまま移植するのではなく、
現地の「デジタル生態系」をリサーチし、 その中で
最適なチャネルミックスを構築することが必要。
7. 未来を勝ち抜く鍵(販売から共創へ、体験を
デザインする企業だけが航海を続けられる)
①5つの関門は、決して克服できない障害物では
なく、現地市場と真摯に向き合うための「羅針盤」
だと捉えてみてください。
ASEANの市場はもはや「安い労働力」や
「安い商品を供給する場」 ではありません。
②急速な経済成長とデジタルネイティブな人
口構成を背景に、彼らは以下を求めています。
「問題を解決してくれるパートナー」
「品質と信頼性でビジネスを支えてくれる盟友」
③これからの3年5年をリードするのは、
単に商品を輸出する企業ではありません。
以下のように、時には現地パートナーと共に商材そ
のものを改良し、購入から使用、保守に至るまでの
全ての「顧客体験」を共にデザインできる企業です。
・現地の課題を深く理解する (文化・法規制)
・自社の技術や商材で どのように貢献できるかを考える
・現地の支払いやすさ (決済) と、安心 (物流) を設計する
・彼らが日常いる場所 (集客経路) で対話を始める
④これは、遠くの市場に「売り込む」姿勢から、
共に成長する市場の一員として「参画する」姿
勢への、大きな転換を意味します。
ホームページ刷新はこの「参画」への第一歩です。
↓
単なる情報発信の場から多言語に対応し、現地
の検索エンジンや、ユーザー行動に最適化され、
文化に配慮したコンテンツで価値を「通訳」し、
信頼を構築する「体験の入り口」へと 進化させ
る時が来ています。
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