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【日本H93】 逆境の中国で花を咲かせた日系企業の「和製サバイバー」2026.03.06

デフレ下の中国で「好調な日系企業」はファナックや村田、トヨタ、日産らのように現地技術や、IT企業と協業し、現地主導で製品開発を行い、工場自動化や、MLCC、EVなど需要が堅い分野に集中して成長を続けている。市場の文法に従う現地適応型戦略が勝因。

 

 1. 日系企業の多くが戦略をシフトしている

①中国に進出している日本企業の多くが、
積極拡大から、「事業規模の維持・縮小」
へと、戦略をシフトしている。

 

②ジェトロ (日本貿易振興機構)が 2025年2月に
公表した、「2024年度 海外進出 日系企業実態調査
(中国編) 」によれば、2024年の営業利益を「黒字」
と見込んだ企業は、58.4%にとどまり、 前年比で、
1.9ポイント低下した。

 

③しかし、よく見ると——。

そんな逆風の中でも「なぜか、あの日本企業、妙に
元気じゃないか」と感じる会社が、確かに存在する。

 

④今回は、デフレ下の中国市場でしっかりと
根を張り、力強く成長を続けている日系企業
5社についてお話する。

 

 

 

 2.【第1位】ファナック(FANUC)
中国の「工場革命」に乗っかる、縁の下のヒーロー

①工作機械の「脳」 (CNC=数値制御装置) と産業用ロ
ボットを作る、 日本が誇るグローバルメーカーである。

スマホのボディを削り出す小型加工機「ロボドリル」
でも、世界トップクラスのシェアを持つ。

 

 

②2025年度 第2四半期 (2025年7〜9月)に
おける中国でのロボット売上は、前年同期比
87%増を記録した。

日本や欧州が低調に推移する中、中
国市場だけが別次元の伸びを示した。

(参照:モーニングスター「ファナック 決算:中国でのロボット需要の強さが長期的見通しを支える」)

 

 

③なぜ中国でこんなに売れているのか。

日本と欧州の完成車メーカーは、需要の
弱さを背景に、設備投資を停止している。
   ↓
一方、BYDやシャオミのような中国の自動車
メーカーは、「世界への輸出拡大」 を 狙って
工場の自動化を猛烈なスピードで進めている。

 

 

④その自動化ロボットを供給しているのがファナックである。

 

中国企業の「世界進出の夢」を日本のファ
ナックのロボットが陰から支えている——。
 ↓
2026年3月期の上半期(2025年4〜9月)業績は、
売上高が前年同期比5.1%増の 4,076億円、営業
利益は同13.7%増と増収増益を達成した。

 

デフレで中国の消費者が財布のひもを締め
ていても、工場の自動化投資は止まらない。

そこにファナックの強さの秘密がある。

 

 

 

 3.【第2位】第2位:村田製作所(Murata)
「電子部品の帝王」がAIブームで再び輝く

①あなたが毎日使うあらゆるデジタル
機器に村田製作所の部品が入っている。

 

特に「MLCC(積層セラミックコンデンサ)」と呼
ばれる電子部品では、 世界シェアでトップを誇る。
 ↓
スマホ1台にMLCCが 1,000個以上使われてい
るとも言われ、 その世界シェアは4割に上る。

 

 

②村田製作所は2022年に、中国・江蘇省の工場
に約450億円を投じて、MLCCの部材を増産する
ための新生産棟建設を着工した。

 

 一度の設備投資としては、当時の過去最大規模。
 ↓
「撤退」を選ばず「攻め」を選んだ経営判断の象徴
 として、この意思決定は、今も語り継がれている。

 

 

③ AIデータセンター向けMLCC需要の爆発的な拡
大を背景に2025年度第2四半期(2025年7〜9月)
には、四半期業績として、過去最高となる売上高
4,866億円を記録した。

 

社長の中島規巨氏は、以下のように説明している。

「データセンターという好調な産業エリアが
    あり、 そこに、 当社のMLCCを中心とした
    部品群がちょうどフィットした」

(参照:EE Times Japan「村田製作所、25年Q2は過去最高の売上高に AI需要でMLCC好調)

 

 

④中国市場での追い風も明確で、中国では電動
化が進み、自動運転技術も急激に発展している。

 

「ソフトウェア定義型自動車(SDV)」への移行が
  加速する中で、将来のアップデートに備えて、あ
  らかじめ、高性能の部品を搭載するケースが増え
  ており、この「ハードウェアリッチ」なトレンド
  は村田製作所にとって追い風となっている。
   ↓
  スマートカーに、高性能部品を詰め込む流れが、
  結局は村田製作所の商品を世界中に広めている。

 

 

 

 4.【第3位】トヨタ自動車(Toyota)
郷に入っては郷に従えを本気で実行した唯一の日本自動車メーカー

①トヨタは 2026年1月の中国での新車販売台
数が前年同月比6.6%増の14万5,500台となり、
5ヶ月ぶりに前年同月を上回った。

主力モデルのカムリが同17%増で、 ミニ
バンのシエナが同35%増と、好調だった。

 

 

②なぜトヨタだけが踏みとどまれているのか。

その答えは、中国人の好みに本気で寄り添う決断。
  ↓
キーワードは「RCE制度」。

 

トヨタが、中国市場向け車種の設計開発を
中国人エンジニアにリードさせる、いわば
「現地開発主義」の制度。

 

 

③日本本社が 「これで行こう」と決めたものを
押しつけるのではなく、 中国人のエンジニアに
「あなたたちが作りたいものを作っていい」 と
任せる。

この発想の転換こそが、トヨタの中国戦略の核心。

 

 

④RCE制度の第1号として、2025年3月に発売さ
れた小型SUV「bZ3X(鉑智3X)」は 発売1時間
で1万台の予約を獲得。

 

  さらに、 広汽トヨタが、 開発中の新型EVセダン
「bZ7(鉑智7)」には、ファーウェイのスマート
  コックピット 「HarmonyOS 5.0」、  自動運転ベ
  ンチャーのモメンタ、 さらに シャオミのスマー
  トエコシステムと、 中国を代表する テック大手
  3社の技術がそろい踏みで搭載される予定。

(参照:36Kr Japan「トヨタの中国合弁、次世代EV『bZ7』にシャオミ&ファーウェイ技術を採用へ」)

 

 

⑤「餅は餅屋に」

中国の車は中国のエンジニアに作らせる。
   ↓
この「シンプルな哲学」がデフレの
逆境の中でも確実に実を結んでいる。

 

 

 

 5.【第4位】日産自動車(Nissan)
どん底から這い上がった、最も劇的な復活劇

①日産の2026年1月の中国における販売
台数は、 前年同月比10.1%増の5万24台
となり、2ヶ月ぶりに増加に転じた。

 

 

②この 復活の立役者が、 2025年4月に 発
売された中国専用EVセダン「N7」である。

2025年8月には、月間販売台数1万148台
を記録し、4ヶ月連続で販売記録を更新。
合弁系BEVの販売ランキングで首位に立った。

(参照:「日産のBEVセダン『N7』中国での勢いが止まらない!8月販売は初の1万台突破!」

 

 

③N7の成功の秘訣は、徹底した
 「中国IT企業との協業」 にある。

 

N7は、東風汽車との合弁会社が開発を主導した
初のモデルで、 中国の地場部品メーカーを積極
活用してコストを抑えながら、 中国消費者が求
める最先端の使い勝手を実現した。
 ↓
価格は約240〜300万円と競争力が高く、予約
開始から数時間で 1万件超の受注を 獲得した。

 

 

④さらに、フラッグシップセダン「ティアナ」
には、ファーウェイの最新コックピットシス
テム「Harmony Space 5.0」を搭載。

 

  2026年1月のティアナ販売台数は6,724台に上った。
      ↓
「もはや車はスマホと同じだ」 と思っている 中国の消
  費者に対して「中国で最も信頼されるテックブランド」
  であるファーウェイの力を借りて勝負に出る。

  この戦略の切れ味が、N7の快進撃を生んでいる。

 

 

 

 6.【第5位】ジェトロ調査が認めた
「SNS×コラボ」戦略の日系黒字企業群

①最後に紹介するのは、特定の1社ではなく、
ある「共通戦略」を持つ日系企業のグループ。

 

 

②ジェトロが、2025年6〜8月にかけて
在中国日系企業23社を対象に 実施した
フォローアップヒアリング調査。

 

その結果から浮き彫りになったのは、異分野・異業
種との 「コラボレーション」や「SNS」などデジタ
ルツールの活用によって ブランド力を維持・向上さ
せつつ、 好業績や事業拡大を実現している日系企業。

(参照:ジェトロ 「中国事業が好調な日系企業の要因分析」)

 

 

 

③好調な分野として浮かび上がったのが、以下の
ようなコンテンツと連携した商品の販売、いわゆ
る趣味・嗜好に関するビジネス分野である。

  ・アウトドアやキャンプ
  ・スポーツ
  ・アニメやゲーム

 

 

④これらの分野では、貿易会社・販売会社の新規
設立など事業拡大の動きが活発に見られるという。

 以下を、 打ち出せるか否か。
「ターゲット層の消費嗜好をしっかり捉えたコンセプト」

 

 

⑤何を売るかよりも以下が問われる時代である。

「どんな世界観で売るか」
     ↓
 キャンプ用品、アニメグッズ、スポーツ関連。

 

一見すると、 ニッチな分野に 思えるかもしれ
ないが、「好き」という感情に訴えかける商品
は、 デフレ環境でも財布が開きやすい。

 

 

 

 7. まとめ(中国で生き残る日系企業の3つの共通点)

①今回の5社に共通するのは、次の3点。

【共通点❶】 中国の技術・パートナーを積極的に取り込むこと

 ファーウェイ、シャオミ、モメンタ、東風汽車
   ↓
 日系企業はかつて、
「日本品質の押しつけ」で戦おうとしていた。

 

 今、勝っている企業は、中国テック企業を
「脅威」ではなく「武器」として使っている。

 

 

【共通点❷】 中国人が本当に欲しいものを中国人に作らせること

 トヨタのRCE制度、日産N7の東風日産主導開発
   ↓
 日本本社の意思決定ループから外れ、現地のス
 ピードと感覚で動くことを許容した企業だけが、
 消費者の心を動かすクルマを生み出せている。

 

 

【共通点❸】 値下がりしても需要が消えない分野に腰を据えること

 ファナックの工場自動化ロボット、村田製作所のMLCC
  ↓
 これらはデフレで消費者が節約して
 いても、 止まらない投資対象である。

 

「誰もが削れない分野」に、強みを置くことが、
 景気循環を超えた安定成長をもたらしている。

 

 

②これらを一言でまとめると、
「郷に入っては徹底的に郷に従う」戦略。

 

日本のやり方を、押し通すのでは
なく、中国市場の文法で話すこと。
 ↓
それだけのことでデフレの逆風すら追い風に変えられる。

 

 

③中国市場で成長を続ける日系企業
の共通点は以下の2つに集約される。

・現地技術との融合
・消費者の感情に響く価値の提供

 

 

(参考)デフレの中国で「和製精鋭」第6位〜10位の日系実力派

 

 

※本記事は 2026年3月時点の公開情報・各社決算情
 報・ジェトロ調査レポートを元に作成しています。

 

 

 

 

 

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