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【日本I01】 世界のオンラインショッパーは何を求めているのか?2026.03.13

越境ECでは閲覧増でも購買が伸びない。原因は配送・返品・透明性不足、追加費用、レビュー不足。無料配送・簡易返品・迅速追跡・SNS連携・UGC強化・サステナで信頼を築けば、日系企業は差別化できる。価格に含める設計や AI試着で購買率向上を実現する。

 

 1. 閲覧は多いのに、購入は少ない

①そのギャップの正体

オンラインショッピングは、もはや「便利だ
から使う」という段階をとっくに超えている。

「世界中の消費者の生活に、深く
 根付いた呼吸のような購買行動」

 

 

②スマホを開けばいつでも世界中の商品が
目の前に並び、数秒でカートに入れられる。

この利便性の極致ともいえる環境が整いなが
ら「なぜ購入されないという現実が続くのか」。

 

 

③DHLが 2025年2〜3月にかけて 24ヶ国・ 24,000人を
対象に 実施した調査 (2025 DHL eCommerce Online
Shopper Trends Report)では 「閲覧は多いのに 購入
は少ない」という慢性的なギャップが、越境ECの最大
課題であることが明らかになっている。

 

 

④回答者は過去3ヵ月以内に1回
以上オンライン購入した実購買層。

つまり、買う気のある人たちでさえ、離脱している。

 

 

⑤今回は日系企業が越境ECで勝つために押さえる
べき 「ショッパー心理の核心」についてお話する。

 

 

 

 2. 世界のショッパーが離脱する本当の理由

①インパクトを放つのが、カート離脱の実態。

 

「配送オプション」が希望通りでなければ、世界
 のショッパーの81%が、その場で購入を諦める。
  ↓
 79%は「返品方法」が期待に沿
 わなければ、カートを放棄する。

 10人中8人が去るという、売上直結の致命的な数字。

 

 

②タイ、マレーシア、中国では、配送の遅延が購
買意欲を大きく損なう要因として、突出しており、
アジア市場特有の「速さへの期待値」の高さが浮
き彫りになっている。

 

つまり、以下。

「商品が良い」だけではもう売れない。
 配送・決済・透明性が整っていなけ
 れば、ショッパーは一瞬で離脱する。

 

 

③日系企業が「品質には自信がある」と言いながら、
越境ECで苦戦する原因の多くが、まさにここにある。

商品開発に力を入れる一方で、チェック
アウト体験の整備が後回しになっている。
  ↓
この現実を直視することが越境EC成功の第一歩。

 

 

チェックアウトとは、ECサイトで、ユーザーがカー
トに入れた商品を購入するための最終手続きを指す。

具体的には、注文内容の確認から、配送先や連絡先の入力、配
送方法の選択、支払い情報の入力を行い、注文を確定するボタ
ンを押して購入を完了させるまでの一連のプロセスを意味する

 

 

 

 3. 「無料」は魔法の言葉。配送と返品が購買の決定打

①世界中のショッパーが求める改善点とし
て、 DHLレポートが特に強調するのは以下。

第1位:無料配送(世界のショッパーの72%が最重要視)
第2位:無料返品・簡便な返品プロセス
第3位:迅速な配送
第4位:詳細な商品説明
第5位:レビュー・購入者写真の充実

 

 

②特に、 注目すべきは、以下と答える
ショッパーが世界規模で存在すること。

「無料配送と無料返品があれば、
 SNS上でも自信を持って購入できる」

 

 

③日系企業が越境ECで信頼を勝ち取
るには 次の発想転換が不可欠である。

「無料に見える価格設計(配送・返品コスト
 を商品価格に組み込む) +  返品の簡便さ」

 

⑤送料込みで価格設定し、返品
ラベルをあらかじめ、同梱する。

この「先回りの誠実さ」こそ、 日本的なホス
ピタリティを、越境ECに転用する最良の方法。

 

 

 

 4. スマホとSNSが購買の主戦場に

①1980年代前半から1990年代半ばまでに生
まれたミレニアル世代の 83%が、 モバイル
アプリで買い物をしている。

63%がSNSを通じて新商品情報を収集している。

 

 

②世代別・プラットフォーム別の傾向は、以下。

【傾向❶】Z世代:

TikTok・Instagramが主戦場。
バイラルトレンドが購買を動かし、82%のショッパ
ーが「トレンド商品の影響を受ける」と、回答する。

 

【傾向❷】ミレニアル世代:

Facebook・YouTubeでのブランド接触が強く、 購買
判断の信頼源として、レビュー動画への依存度が高い。

 

【傾向❸】中国市場:

Douyin(抖音)とRedNote(小紅書)が圧倒
的な存在感を持ち、 ライブコマースは 日常の
購買行動として完全に定着する。

 

 

③SNSは「認知の場」から「購入の場」へ完全に進化した。

「いいね」の先にカートがある時代。
 ↓
 2030年までに、アジア太平洋地域の消費者の85%が
「SNSを主要な購買チャネルにする」と 回答している。

 

 

④日系企業がSNSコマースへの本格移行を先送り
にすれば、その間に、競合他社に市場を奪われる。

 

 

 

 5. 越境ECの勝ち筋はどこにある?

①世界のショッパーの59%が海外ECから購
入しており、 越境ECは確実に拡大している。

 

 この数字は、以下の認識を完全に覆す。

「一部のグローバル志向の消費者が使うもの」
  ↓
 世界の主要市場では 6割近くの消費者が当然
 のように、「国境を越えて」買い物をしている。

 

 

②購入理由のトップは、以下。

第1位:価格の安さ(51%)
第2位:国内にない商品(47%)
第3位:多様なラインナップ(44%)

 

 

③ここに日系企業のチャンスがある。

「国内にない独自商品」という軸は、 価格競争に巻き
 込まれることなく越境ECで差別化できる最強の武器。

 

 

④一方、購入を踏みとどまらせる理由として、詐
欺への不安が、最大の障壁として挙げられている。

南アフリカ(69%)、マレーシア(66%)、ナイジェ
リア(65%)、アルゼンチン(64%)では 特に 顕著。

関税負担の不透明さ、複雑な返品プロセスが続く。

 

 

⑤つまり越境ECで勝つ本質は、以下。
「価格よりも、安心を売ることが重要」

 以下の提示は「ないと売れない必須条件」である。

 ・信頼できる決済手段
 ・現地通貨表示
 ・透明な関税情報

 

 

⑥7割のショッパーが、信頼できる国・ブ
ランドからしか購入しないと回答している。

日本ブランドへの国際的な信頼度の高さはこの
文脈において、圧倒的なアドバンテージになる。

 

 

 

 6. レビューは数より信頼性が命

①10人に9人のショッパーが、カスタマーレビュ
ーが 購買判断に大きく影響すると 回答している。

 

次の事実に多くの企業はまだ対応できていない。
 ↓
Z世代とミレニアル世代は 特に写真や動画付
きのレビューを信頼の根拠とする傾向が強い。

 

テキストだけのレビューは、 「本物感」が薄く、
視覚的証拠のあるレビューが 購買の背中を押す。

 

 

②信頼を高める要素を整理すると、以下。

【信頼の要素❶】詳細な商品説明:
 素材・サイズ感・使用シーンまで書き込まれた説明文

【信頼の要素❷】購入者の写真・動画レビュー
 実際の使用感が伝わるUGC(ユーザー生成コンテンツ)

【信頼の要素❸】十分なレビュー数:
 母数が少ないと信頼性が下がる

【信頼の要素❹】事業者のレビュー返信:
 これが最も見落とされがちな要素である

 

 

③事業者がレビューに返信するという
行為は「ここに人がいる」という証明。

 

レビュー欄での誠実なコミュニケーショ
ンはブランドへの信頼感を大幅に高める。
  ↓
特に越境ECでは物理的な距離がある分、この
デジタル上の「存在感」が 購買率に直結する。

 

 

 

 7. サステナビリティは「購買の新しい基準」に

①世界のショッパーの72%が、オンライン購
入時に、 サステナビリティを重要視している。

Z世代は49%が環境への懸念を理由にカートを放棄している。

 

 

②ショッパーが求める、サステナ
ビリティ対応の優先順位は、以下。

第1位:サステナブルな梱包材の使用(53%)
第2位:プラスチック削減への取り組み
第3位:リサイクル方法の明示(40%)
第4位:配送の環境負荷の可視化
(57%が配送の環境影響を知りたいと回答)

 

 

③ここで日系企業に伝えたいことがある。

日本が長年培ってきた以下は、 サステ
ナブルな購買文脈と非常に相性が良い。

 ・丁寧な品質
 ・誠実な説明
 ・過剰包装を見直す意識

 

 

③MUJI(無印良品)が世界でサステナブル
ブランドとして評価される理由は、 まさに
この「日本的誠実さ」の延長線上にある。

 

 

 

 8. AIは次のEC標準機能になる

①世界のショッパーの7割が AIを活用したより
パーソナルなショッピング体験を、求めている。

AI機能は「あって当然の機能」へと変わりつつある。

 

 

②特に需要が高い AI機能は、以下。

第1位:バーチャル試着(Virtual Try-On):
78%が「もっと使いたい」と回答した最注目機能である。

第2位:ARショッピング:
家具・インテリアの配置確認など、返品率低下にも直結

第3位:音声検索・音声購入:
世界で37%、SNSショッパーでは48%が既に活用

第4位:AIショッピングアシスタント:
商品比較・レコメンドの個別最適化

第5位:在庫減少時の自動再注文通知

 

 

 

 9. 配送・返品・信頼を制する企業が2026年のECで勝つ

①DHLレポートが示す最大のメッ
セージは以下の一文に集約される。

「商品力より体験価値が購買を決める時代が到来した」

 

 

②日系企業が越境ECで成功するための必須条件は、以下。

【必須条件❶】配送スピードと透明性の確保:

  リアルタイムの追跡情報の提供、到着予定日の明示。
「いつ届くかわからない」 という不安が 離脱を生む。

 

【必須条件❷】無料に見える価格設計(配送・返品含):

 送料を商品価格に組み込むか、
 一定金額以上で、 無料にする。
   ↓
「追加料金のサプライズ」はカート離脱の直接原因。

 

【必須条件❸】写真・動画を含むレビュー強化:

 購入後のレビュー投稿を促すメール自動
 送信や、 写真投稿インセンティブの設計。
  ↓
 UGCの蓄積が次の購買を呼ぶ循環をつくる。

 

【必須条件❹】SNSを活用した購買導線の構築:

 InstagramショッピングタグやTikTok Shop
 との連携は、 今や、越境ECの必須インフラ。

 

【必須条件❺】サステナブルなブランド姿勢の発信:

 梱包・素材・製造背景。
  ↓
 これらを、ECサイト上のストーリーとして
 語ることが、 長期的なブランド資産になる。

 

 

 

 

 

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