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【日本H95】デフレの中国で「和製精鋭」第6位〜10位の日系実力派2026.03.08
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1. 今回は前回に引き続き、 日系企業の実力派
第6位から第10位の5社について お話する
①デフレ圧力が日増しに強まる中国市場で、
価格競争に巻き込まれることなく、独自の
土俵を守り続ける日系企業群。
②彼らが中国に残り続けている理由は単純ではない。
以下を持っているから。
「値段のつけられない価値」
2.【第6位】キーエンス(KEYENCE)
「物を売らずに解決策を売る」哲学が中国工場を変える
① 製造業で「営業利益率51.9%」という非常識な会社
工場の自動化に使うセンサーや、計測機器を作
っている会社だが、その稼ぎ方が尋常ではない。
②2024年度(2025年3月期)の売上高は1兆591億円
となり、 同社として初めて1兆円の大台を突破した。
さらに 営業利益は5,498億円、 営業利益率は51.9%に
達しており、製造業としては、異例ともいえる高水準。
③製造業で営業利益率50%超の秘密は、物を売るの
ではなく、以下を売るというビジネスモデルにある。
「工場の問題をまるごと解決するソリューション」
↓
自社工場を持たないファブレス経営で固定費
を抑え、営業マンが、直接顧客の製造現場に
入り込んで課題解決を提案する。
中間マージンゼロの「直販体制」が、
あの驚異的な利益率を、支えている。
④中国での「複利の成長」という静かな快進撃
キーエンスの主要地域は、日本・米国・中国の
3カ国でこれら3地域で全体の売上高の68.8%
を占めている。
↓
中国地域の売上は2011年度から2023年度にかけ
て年平均複合成長率(CAGR)19.0%で成長して
おり、突出した伸びを記録し続けている。
⑤20年近く、毎年19%ずつ中国で成長し続ける。
地味に聞こえるが、これは複利の魔法。
↓
積み重ねると、気づいたときには途方もない規模になっている。
⑥「世界初」の技術で価格競争を土俵ごと変える
中国のEV工場や半導体工場が「スマートファクトリー」
化を急ぐほど、 キーエンスのセンサーや、検査機器の
需要は増加する。
新製品の約70%は「世界初」または「業界初」の
技術を搭載しており、 他社よりも早く、より高機
能な製品を市場投入することで、 価格競争に巻き
込まれることを徹底的に回避している。
↓
デフレで、価格競争が激化する市場で「値
段では戦わない」という戦略を貫けるのは、
世界初の技術を持ち続けているからこそ。
これがキーエンス最大の武器。
3.【第7位】太陽誘電(TAIYO YUDEN)
AIサーバーの「縁の下の力持ち」として急浮上
①「MLCC」という名の、誰もが知らない世界
インフラ知名度は 控えめだが、 実力は世界級。
スマホ、電気自動車、そして今最もホットなAI
サーバーの内部に欠かせない 電子部品「MLCC
(積層セラミックコンデンサ) 」を製造している
会社が、太陽誘電である。
②驚くべきはその搭載数。
スマホ1台に約1,500個、EV1台に約10,000個、
そして、AIサーバー1台には、最大約2万個の
MLCCが搭載されるとされる。
これは一般的なサーバーの約8〜10倍に相当する。
③1台のAIサーバーに2万個。
中国でデータセンターが、次々と建設されて
いるということは、 太陽誘電のMLCCが毎回
2万個ずつ消費されていくということ。
④地域別売上は中国32%、香港13%を合
わせると、中国圏で約45%近くを占める。
海外比率は93%に達しており、文字通り
「中国あっての太陽誘電」とも言える構造。
↓
特筆すべきは、中国メーカーが安価なコモディティ品
でシェアを奪いにくる中でも、太陽誘電が「高付加価
値MLCCへの集中」という戦略を維持していること。
⑤「需給逼迫」という嬉しい悲鳴
業績面では、 2026年3月期は高性能MLCCの需給逼迫
が続くと自社で分析しており、さらに2027年3月期も
AIサーバー需要を牽引役として期待している。
需給逼迫とは、作っても作っても足りないという状態のこと。
↓
こんな嬉しい悲鳴を上げられる立場に、太陽誘電がい
るのは 「AIブーム」という時代の波と、中国の旺盛な
「データセンター投資」が重なった結果に他ならない。
4.【第8位】日本精工(NSK)
「軸受けの王者」がロボット時代に再覚醒
①「動くもの」すべてに入っている見えない主役
「ベアリング」という機械の軸を支え、回
転を滑らかにする小さな金属部品がある。
↓
地味でコンパクトだが、製造機械、自動車、ロボッ
ト全ての「動くもの」に入っている縁の下の力持ち。
②日本精工(NSK)の地域別内訳は、 日本33%、
中国22%、 米州19%、その他アジア14%、欧州
12%とグローバルにバランスよく展開している。
③補助金政策が生む需要増で業績予想を上方修正
2026年3月期の業績予想を上方修正しており、
予想営業利益は、 220億円から 300億円へと
大幅に引き上げられた。
↓
中国政府による設備投資向け補助金政
策による需要増が寄与した結果である。
④「動くものには必ずベアリングがある」と
いうシンプルな事実が、NSKの中国ビジネス
を下支えし続ける。
⑤中国で ロボットの普及が急速に進む中、
ロボットの「関節」に欠かせない ベアリ
ングの需要は爆発的に増えていく。
製造ロボットが、人間の代わりに動き続け
るかぎり、NSKの出番は永遠に終わらない。
5.【第9位】花王(KAO)
「中国でも反攻開始」への静かな転換
①花王といえば、ビオレ、エッセンシャル、
アタックなど、日本の家庭に深く根ざした
日用品ブランドの宝庫である。
しかし2025〜2026年において注目すべき
は 同社の 「化粧品事業」の復活劇である。
②中国では、 しばらく、 苦戦が続いていたが、
2025年~2026年にかけて潮目が変わってきた。
2024年12月期の決算では、化粧品事業の注力6ブラン
ド (SENSAI、MOLTON BROWN、KANEBO、SOFINA、
Curél、KATE)合計の売上高が前年比13%増を記録。
さらに化粧品事業単体での黒字転換も達成した。
③カネボウ「3年連続 30%成長」の驚異
特に注目したいのがアジア・中国戦略の転換。
↓
花王の「KANEBO(カネボウ)」はグローバ
ル全体で 3年連続3割成長を 達成している。
(参照:週刊粧業オンライン「花王の化粧品事業はなぜ急成長したのか?」
④カネボウが3年連続30%成長と
いうのは、並大抵のことではない。
日本の「丁寧なスキンケア」という文化への信頼が、
じわじわと、アジア全体で、再評価されている証拠。
アジア地域の売上も 2024年12月期
は前年比16.2%増の2桁成長を達成。
↓
中国では、以下が実を結びはじめている。
・現地生産の拡大
・製品価値の適切な訴求
⑤「種まき」が終わり、「収穫期」へ
花王の化粧品事業は2027年に向けて売上高4,000
億円という、高い目標を掲げており、中国を含む
アジア市場への注力が中心戦略となっている。
さらに独自の「皮脂RNAモニタリング技術」を
競争優位の核に位置づけ、パーソナライズ美容
という次の領域への布石も打っている。
↓
苦しかった時期に、 静かに種を蒔き続けた
企業が、2026年から本格的に収穫期に入る。
花王の中国戦略は、忍耐が結実
する典型的な物語を歩んでいる。
6.【第10位】資生堂(SHISEIDO)
「再建」という名の、静かで本気の反撃
① 中国事業は苦戦が続いた日本が
世界に誇る美の総合企業、 資生堂。
直近の中国事業は苦戦が続いていた。
↓
中国経済の鈍化と、 消費者センチメントの悪化が
直撃し、2024年12月期の連結純利益は前年比72%
減という厳しい数字を記録している。
②しかし、2025年上期、その
「ボトムアウト(底打ち)」が確認された。
資生堂の「アクションプラン2025-2026」は 着
実に実行されており、中国・トラベルリテール
事業においてボトムアウトを確認。
↓
減収の中でも利益率を維持する
事業体質への転換が進んでいる。
③「ボトムアウト」という言葉は地味に聞こえる
が、投資の世界では、最も重要なシグナルの一つ。
底を打った企業は、次に上昇する可能性が高い。
④2026年に向けた250億円のコスト削減と収益構造の転換
2025年中に、構造改革アクションを完遂する
ことで、 2026年には、 250億円規模のコスト
削減効果が確実になる見通し。
↓
2026年のコア営業利益率7%達成を目指し、
組織のスリム化、マーケティング効率化、固定
費削減という3本柱で、立て直しを図っている。
⑤中国市場での再起に向けて、 2025年4月
に、ブランドのサテライトオフィスを新設。
ローカルマーケティングの強化と、富裕層から地
方都市の中間所得層まで幅広いニーズをとらえた
ポートフォリオ戦略で、「脱中国依存」 から 「中
国でも稼げる構造」への転換を図っている。
↓
どん底から這い上がる企業の強さは、
「また同じ失敗はしない」という学習の深さにある。
7. まとめ(中国生存の共通公式とは)
①中国市場で生き残り、さらに成長している
日系企業には、一つの共通項が浮かび上がる。
②それは次の事実。
「デフレは敵ではなく、ふるいである」
価格だけで戦う企業はふるい落とされ、技術・
文化・品質という「値段のつけられない価値」
を持つ企業だけが残る。
↓
各社はそれぞれの方法で独自の土俵に立ち続けている。
③中国デフレ時代に輝く日系企業の共通点は、以下。
「代替不能な技術か、文化的価値を持ち、
価格競争を土俵ごと変えてしまえること」
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