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【日本I45】 今、東南アジアは社会構造の激変期で熱狂のるつぼ2026.04.26

・結論:越境ECの成功は法人設立より先に
「文化・決済・物流・集客」の 設計にある
・対象国:マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン
1. Shopify制作会社にこんな相談が飛び込んでくることは少なくない
「海外展開を始めたいんです。まずは現地法人を作
ろうと思うんですが、相談に乗ってもらえますか?」
①意欲的なクライアントほど、
最初に「箱」を用意したがる。
立派なオフィスを借りて、信頼で
きる通訳を雇って登記を済ませる。
たしかに、 それで 一歩を踏み出
した 気持ちになれるの はわかる。
②しかし、ここで一度、立ち止まりたい。
現地法人の設立という箱だけ用意して、その後に
何を詰め込むのかが決まっていなければ、固定費
だけが口座から滑り落ちていく悪夢が待っている。
③今回はマレーシア、タイ、インドネシア、フィ
リピンの 4カ国に、 フォーカスして、 話をする。
2. 今、東南アジアは「熱狂のるつぼ」である
①日本の人口減少と消費の停滞感を肌で感じて
いる私たちにとって、 東南アジア市場の熱量は
もはや別次元である。
これは単なる「成長市場」という言
葉ではくくれない社会構造の激変期。
②Google・Temasek・Bain & Companyのレ
ポートによれば、 東南アジア主要6カ国のデ
ジタル経済における流通取引総額(GMV)は、
2024年に前年比15%増の 約2,630億米ドルに
達している
③日本のEC市場成長率(約9%)を、大幅に上
回るこの数字は、 単なる統計ではなく、消費の
の重心が文字どおり東へシフトしているサイン。
3. インドネシア(ソーシャルコマースが購買とエンタメの境界を溶かす)
①真っ先に目を向けたいのはインドネシアです。
世界第4位の約2億7,000万人の人口を抱える この国
ではEC市場が2024年に650億ドルを突破し、2030年
まで年平均15%の成長率が見込まれている。
②もう「スマホを持ち始めた」という生易しい話では
なく、彼らの消費行動そのものが、実店舗を介さずに
デジタルネイティブとして成熟しつつある。
TikTok Shopと連携した ソーシャルコマースの
爆発力は日本で私たちが想像する「ネット通販」
の枠を軽々と超えていく。
↓
それはまるでエンタメと購買の境界
線が溶けて混ざり合ったような世界。
4. タイ(QR決済が財布を出す手間すら奪った国)
①タイは2024年に約260億ドルとASEAN第2位
のEC市場規模を誇り、2028年には538億米ドル
に達すると予測されている。
②銀行口座を持たなくても、スマホさえあれば買い物ができる。
QRコード決済の普及率は世界トップクラス。
↓
国民インフラともいえる「PromptPay」の浸透率
は高く、 財布を取り出すという物理的な動作すら
「ひと手間」になりつつある。
③この決済体験のシームレスさは、日本製の
決済モジュールをそのまま持ち込んだだけで
は、決して太刀打ちできない領域である。
5. フィリピン(届くか届かないかの不安が生んだ独自決済文化)
①フィリピンの2024年のEC市場規模は 210億ドル
を超え、2030年までの年平均成長率は、約19%と、
東南アジアで最も高い伸びが予測されている。
島嶼国という地理的条件もあり、
「物流」こそが信頼の源泉である。
↓
届くのか、届かないのかの不安を払拭するために、
「Cash on Delivery(代金引換)」の文化が根付いた。
②さらに今、モバイル決済「GCash」が約9,000万人
を超える 登録ユーザーを抱え、 若年層を中心に爆発
的に浸透している。
彼らはクレジットカードを持たずとも「GCash」の
ローン機能を使い、今、日本ブランドを待っている。
6. マレーシア(多民族国家ならではの複数の正解)
①マレーシアのEC市場は2024年に約160億ドル
規模で、成熟した消費者層が国際ブランドを積
極的に求める傾向がある。
マレー系、中華系、インド系、それぞれの言語・宗教
・祝祭日が異なるため「ひとつの正解」が存在しない。
②ハラル認証への深い理解や、旧正月とラ
マダンが、同じ年のカレンダーに並ぶ感覚。
ここでは、ターゲットを絞る「解像度
の高さ」が、そのまま売上に直結する。
7. 幻想を解く(法人登記の先にある分厚い5つの壁)
①こうした熱狂の海に飛び込もうとしたとき、
多くの企業が最初に衝突するのが、単なる書
類仕事では乗り越えられない構造的な壁。
クライアントの手を取り、この壁にドリル
で穴を開けるのが、制作会社の本当の役目。
【壁❶】文化の壁(翻訳ボタンを押すな、文脈を翻訳しろ)
⑴ 以下は、越境ECにおいて最も罪が深い行為のひとつ。
「とりあえず英語に翻訳しておきました」
「AIで現地語にしました」
⑵ インドネシアで「高品質」を叫
ぶだけでは、 人々の心は動かない。
彼らが求めているのは、 時に「仲間との共感」
であり、「コミュニティへの帰属意識」である。
⑶ タイでは商品の背景にある「幸運」「縁起」
などの文脈が、 購買の決定打になる。
⑷ フィリピンでは、自分の家族を大切にす
る気持ちをくすぐるコピーが、 深く刺さる。
⑸ 言葉を置き換えるのではなく、価値観を再設計する。
これこそが、ローカライズの本質。
【壁❷】集客の壁(誰があなたの店を見つけるんですか)
⑴ Shopifyで美しいストアを構築したとする。
しかし、そのURLを知っているのは社長と制作
担当者だけ、というのでは笑い話にもならない。
⑵ 以下のプラットフォームで、誰が、どんな口調
で、 商品を語るのかを設計することが先決である。
・インドネシアでは、InstagramとTikTok Shop
・タイでは、LINEとYouTube
・フィリピンでは、Facebook(利用率は成人層でほぼ100%)
・マレーシアでは中華系向けに小紅書も無視できない
⑶ 現地のKOL(Key Opinion Leader)を起用する
際も、 フォロワー数という、虚栄の指標ではなく、
エンゲージメントの質を見極める目が求められる。
2024年の東南アジア越境EC調査では 最も効果
が高かったマーケティング施策として、以下が
ほぼ同率でトップを占めており、SNS戦略の重
要性は数字が証明している。
・ECプラットフォーム内広告(21.8%)
・SNS広告(21.6%)
【壁❸】決済の壁(知らない街で降ろされる客)
⑴ これが最も痛い離脱ポイント。
「現地で信頼されていない決済手段しか置いていないこと」
⑵ インドネシア人はGoPayやDANAに、 フィリピン
人はGCashに、信じられないほどの愛着と信頼を持
っている。
彼らにとって、見知らぬ海外の決済画面にカード
番号を打ち込む行為は、暗闇に財布を投げ入れる
ようなもの。
↓
この壁を壊せなければ、カート放棄率は改善されない。
【壁❹】物流の壁(神は細部に宿るを忘れた末路)
⑴ 以下のような状況では、せっか
く灯った信頼の火が 一瞬で消える。
「注文が入ったのはいいけど、送料が商品より高い」
「届いたら箱が潰れていて、関税が追加で請求された」
⑵ 以下をクライアント任せにせず、 制作会社側が
「現地の物流パートナー」 という選択肢を 提示で
きるかが、コンサルティングの差別化になる。
・マレーシアの顧客は注文した翌日に「まだか」
と問い合わせてくるほどのスピード感を求める。
・インドネシアでは複数の島をまたぐ
物流の複雑さが、コストを押し上げる。
【壁❺】売上の壁(熱狂を注文確定に変える)
⑴ ここまで壁を破ってきても、最後にそびえ立つ
のは「コンバージョン」という名の最終壁である。
いくら流入が多くても「Buy Now(今すぐ買う)」
のボタンの色や位置が 現地の購買心理とずれて
いれば、売上は海の泡と消える。
⑵ 現地のカレンダーと呼吸を合わせた
販促設計こそが 仕組み化の最終ピース。
・インドネシアでは、ラマダン明けのレバランセール
が年間最大の消費ピークで、日本ブランドも積極的に
この時期に合わせたキャンペーンを展開している。
・タイでは、ソンクラーン(水かけ祭り)の時期に、
「防水」というキーワードで検索流入が跳ね上がる。
⑶ 2024年の越境EC市場調査でも、 売上好調カ
テゴリの上位は、以下であり、日本ブランドが
最も強みを発揮できる領域と重なっている。
・健康食品・サプリメント(38.2%)
・スキンケア・化粧品(33.2%)
8. まとめ(あなたが売っているのは「日本」という神話)
①東南アジア4カ国に共通して言えること。
それはあなたが今、手にしている最大の武器は、
ほかでもない 「Made in Japan」という抑えが
たい物語だということ。
・タイでは「本物の日本」
・フィリピンでは「丁寧な仕事ぶりと家族への贈り物」
・マレーシアでは「品質管理という信用」
・インドネシアでは「長く使える耐久性」
②これはただ「日本製です」と国旗を貼
り付ければ機能する魔法 ではありません。
あなたが作るECサイトで、その品質が正しく「翻訳」
され、 現地の生活者の想像力に触れたとき、 初めて
それは「価格以上の価値」に昇華します。
③越境ECは、仕組み化の美学である
アジア展開は、文化・決済・物流・集客という
複雑なパズルを、いかにエレガントに組み立て
るかという「設計の勝負」です。
↓
必要なのは緻密に設計され、ローカライズされた売れる仕組み。
④Shopify制作会社は、
単なるストア構築者ではありません。
日本ブランドの熱意を、現地で最も美しい
形で結実させるための「翻訳者」なのです。
(参考)「これから伸びる市場」としての魅力を検討すべき ASEANの国々
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