上海物来喜電子商務有限公司

【中国F58】 BtoB企業が即、WeChat公式アカウントを始めるべき理由2025.07.21

 

 1. WeChat（微信）公式アカウント

①中国日系BtoB企業にとって 「WeChat公式
アカウント」は事業存続と成長の基盤である。

 

その重要性は年々増しており、特に信頼構築
が生命線となるBtoB領域では、導入の有無が
ビジネスチャンスを大きく左右する。

 

 

②今回は、 なぜ今、真剣に取り組むべきな
のか？ その核心的な理由についてお話する。

 

 

 

 2. WeChat公式アカウント（中国におけるデジタル身分証明書）

①WeChat公式アカウントとは、企業や組織がWeChat
プラットフォーム上で運営する 公認アカウントのこと。

 

②中国では、 この公式アカウントを 持たない企業は
「正規の事業体ではない」「信頼できない」と見なさ
　れる傾向が極めて強いのが現実である。

 

 

 

 3. なぜ日系BtoB企業こそWeChat公式アカウントが必須なのか

WeChat公式アカウントの５つの核心的メリットは、以下。

 

【メリット❶】「信頼の証明書」としての絶大な効果

①デジタル時代の信用担保

中国、特に国有企業や大手企業との取引において、
公式アカウントは企業の正規性と信頼性を担保す
る「デジタル身分証明書」として機能する。
　　↓
アカウント取得には、厳格な企業認証審査が
必要であり、その存在自体が信頼の証となる。

 

 

②「日本品質」信頼のオンライン基盤

「日本のものづくり」「日本品質」に対する中国
　市場の信頼感は、 依然として高い土台にある。
　　↓
公式アカウントは、このブランドイメージをオンライ
ン上で可視化し、強化するための不可欠な基盤である。

 

 

（例❶）日系精密ベアリングメーカー 「NTN株式会社」 は、
WeChat公式アカウントを開設後、 中国の潜在顧客からの
「御社は実在する会社ですか？」「連絡先は本物ですか？」
といった基礎的な信用確認の問い合わせが激減した。

 

 

【メリット❷】24時間365日稼働する「最強営業スタッフ」の誕生

①情報集約のハブ化

製品カタログ（PDF）、 技術仕様書、 会社概要、導入事例
（ケーススタディ）、よくある質問（FAQ）、動作動画など、
営業に必要なあらゆる情報を一ヶ所に集約する。
　　　↓
中国の見込み顧客が、営業時間外や深夜、週末でも、
自ら必要な情報に、 いつでもどこからでもアクセス
できる環境を構築する。

 

 

②営業効率の飛躍的向上

営業担当者が直接対応する前の段階
で、見込み客の情報収集を支援する。
　　　↓
事前に深い理解を得た状態で商談に臨める
ため、営業プロセスが大幅に効率化される。

 

 

③機能活用の極意

⑴ カスタムメニュー：
直感的なナビゲーションを設定する
（例：「製品情報」「技術資料」「お問合せ」）。

⑵ キーワード自動返信：
「カタログ」と入力
→ 最新カタログPDF自動送信、「事例」と入力
→ 成功事例集送信。即時対応が可能。

⑶ 素材管理：
豊富なコンテンツをストックし、いつでもシェア可能。

 

 

（例❷） 産業用ロボットアームメーカー「ファナック」
は、 複雑な技術マニュアルや、 各種認証資料、 導入
工場での稼働動画を 公式アカウント内に体系化した。

 

中国の製造業顧客の エンジニアが、 自社の都合
の良い時間帯（特に深夜や早朝）に情報を閲覧・
ダウンロードするケースが増加。
　　↓
問い合わせから実際の商談化、さらには成約までの
リードタイムが平均 30%短縮されたとの報告がある。

 

 

【メリット❸】顧客に「直接」「安価に」「確実に」届けるマーケティング

①複雑・高コストな中国広告環境からの脱却

中国のデジタル広告市場は、 プラットフォームが
乱立し、 ターゲティングの難易度も高く、顧客獲
得単価が高騰する傾向にある。
　　　↓
一方、WeChat公式アカウントの「フォロワー」
は、貴社のサービスや製品に、能動的に関心を
持って登録した「超ホット」な見込み客である。

 

 

②BtoBマーケティングの理想形

投稿記事（コンテンツ）をフォロワーに届ける
基本的なコストは無料（広告機能を使わない場合）。

 

メールのような迷惑フィルターの問題も、
ほぼなくWeChatアプリ内に直接通知が届く。

　　　↓
以下のように 意思決定に必要な情報を求める
BtoB顧客に、最適なプラットフォームである。

　・技術解説
　・詳細な導入事例（ケーススタディ）
　・業界動向の深い分析
　・セミナー・ウェビナー情報 など

 

 

■中国では、専門性の高い 長文コン
テンツが真剣に読まれる土壌がある。

 

 

【メリット❹】顧客サポートと関係深化の「ハブ」

公式アカウントは、1対1チャットとシームレスに
連携し、顧客からの質問や、相談を一元管理する
最前線の窓口となる。

 

 

（例❸）計測・分析機器メーカー「堀場製作所」の中国法人
は、アフターサービス窓口として公式アカウントを積極活用。

「エラーコード診断」フローをキーワード自動返信に設定
し、ユーザーが症状を入力すると簡易的な対処法が提示さ
れ、 解決しない場合は自動で「担当技術者の WeChat個人
アカウントとのチャットへ」、接続される仕組みを構築。

 

 

 

 4. 成功する日系企業のWeChat公式アカウント運用の必須極意

【極意❶】「日本語脳」からの完全脱却（ローカライズは生命線）

①簡体字中国語のコンテンツを作成する際、日本
語の原文を そのまま翻訳するのは、 絶対的なNG。

 

以下を現地のマーケティング担当者や、営業スタ
ッフを通じて、徹底的にリサーチする必要がある。

・中国の業界で実際に使われている専門用語
・ターゲット顧客が日常的に検索するキーワード
・彼らが抱える具体的な悩みや課題

 

 

②「日本語的な表現や、論理構成の中国語」
は、不自然さや違和感を生み、せっかくの
「日本品質」の信頼さえも損なうリスクがある。

 

 

【極意❷】「押し売り」は死を招く（価値提供に徹せよ）

①単なる自社製品の羅列や、会社の実績自慢だけ
のコンテンツは、中国の忙しいビジネスユーザー
には完全に無視される。

 

 

②成功の鍵は顧客が真に必要とする
「教育コンテンツ」の提供にある。

具体的には、以下。

・業界の最新動向と将来予測
・技術的なトレンドとそのビジネスインパクト
・顧客が直面する具体的な課題を解決する実践的なノウハウ
・同業他社での成功事例（ケーススタディ）の詳細な共有

 

 

③「この企業から情報を得ると役に立つ」「この会社は
業界に精通していて頼りになる」と、 思わせることが、
BtoBマーケティングにおける最強の営業手法である。

 

 

【極意❸】「孤軍奮闘」を避ける（オフラインと全方位で連動せよ）

①公式アカウントは、あらゆる顧客接点で、その存在を
アピールし、フォロワー獲得に繋げる戦略が必須である。

 

 

②展示会・セミナー：

⑴ ブースの目立つ場所、プレゼン資料
の随所、配布物にQRコードを掲出する。

登録特典（技術資料プレゼントなど）を用意。

 

⑵ 人的接点：
名刺、メール署名、提案資料の表紙 /
最終ページに、QRコードを必ず記載。

 

⑶ 既存顧客：
アフターサービス情報や、業界レポートなどを公式アカウ
ントで提供する旨を伝え、積極的なフォローを呼びかける。

 

⑷ オンラインとオフラインの連携こそが、質の
高いフォロワーを継続的に増やす 原動力である。

 

 

（例❹）【先進事例：SMC株式会社の中国WeChat戦略】

世界的な空圧機器メーカーである日系SMC株式会社
は、中国市場におけるWeChat公式アカウント「SMC
エキスパート」の運用で、高い評価を得ている代表例。

 

①圧倒的な価値提供：

製品カタログだけでなく、「技術ワンポイントアドバイス」
「省エネ効果計算ツール」「業界別 （自動車、半導体、食品
機械など）の 自動化ソリューション事例」「無料技術セミナ
ー・展示会情報」など、設計者や設備保全担当者、購買担当
者にとって、即役立つ実践的情報を継続的に発信。

 

 

②ミニプログラムによる顧客体験向上

以下のような「顧客の利便性を飛躍的に高める機能」を
ミニプログラムで提供し、公式アカウントと、深く連携。

　・製品検索・選定
　・カタログ閲覧・リクエスト
　・見積もり
　・シミュレーション
　・サポート問い合わせ
　・取引先向け注文履歴確認 など

 

 

③オフラインとの強力な連携

中国各地で開催される主要な産業展示会や 自社主
催の技術セミナーでは、QRコードを大きく掲示し、
来場者へのフォロー登録を積極的に推進。

 

登録者には特別技術資料へのアクセス権
を提供するなど、 インセンティブを設計。
　↓
成果：
これらの戦略的な取り組みにより、
数十万規模の高品質なフォロワーを獲得。

 

 

 

 5. 日系BtoB企業が今すぐ取るべき第一歩

WeChat公式アカウントには、 主に２つのタイプが
あるが、日系BtoB企業が 以下を 目的とするならば、
「サービス号 」の取得と企業認証は絶対条件。

・顧客とのコミュニケーション
・見込み客の育成
・サポート、販売プロセス支援

 

 

①サービス号 (Service Account)

⑴ BtoB企業に最適。

月に最大４回の投稿制限があるが、新規投稿や顧客か
らのメッセージ通知が、ユーザーの「チャットリスト」
画面（個人の友達やグループチャットと同じメイン画
面）に、直接表示される。
　　↓
そのため、通知が見逃されにくく、到達率が圧倒的に高い。

 

⑵ 企業認証（Vマーク取得）が 必須
であり、信頼性の証明にも直結する。

 

 

②サブスクリプション号 (Subscription Account)

⑴ 毎日投稿可能。

しかし、新規投稿の通知は「サブスクリプション
フォルダ」内（ニュースメディアなどのアカウン
トが大量に集まる場所）にまとめられる。
　　↓
ユーザーが、意図的にそのフォルダを
開かない限り、通知はほぼ見られない。

 

⑵ 利用できる機能がサービス号と
比較して、 大幅に制限されている。

 

 

 

 6. WeChat公式アカウントのビジネスプラットフォームの本質

①「WeChat公式ページアカウント」という表現を 見かけ
ることがあるが、これは正確ではなく、本質を見誤らせる。

 

 

②正確な名称は、以下。

・WeChat Official Account (英語)
・微信公众号 (中国語: Wēixìn Gōngzhòng Hào)

日本語では「WeChat公式アカウント」
または「微信公式アカウント」。

 

 

③WeChat公式アカウントが単なる「ページ」ではない理由

WeChat公式アカウントは、情報を静的に
掲載するだけの ホームページとは異なる。
　　　↓
以下のように総合的な「ビジネスプラッ
トフォーム」 としての役割を 担うため。

・双方向コミュニケーション（1対1チャット、自動返信）
・顧客管理
・ミニプログラムによる複雑な業務プロセスの実行

 

 

 

 6. まとめ

①中国で 持続的な成長を目指す 日系BtoB企業にと
って WeChat公式アカウント（サービス号）の取得
と、その戦略的な運用はもはや「生存条件」です。

 

 

②確かに、以下には、時間と労力、
ある程度の予算の投資が必要です。

・質の高いローカライズされたコンテンツの継続的な作成
・ミニプログラムの開発・運用
・オフライン施策との連携

　　　　↓
しかし、この投資は以下の形で確実にリターンをもたらします。

・ブランド認知度向上と、信頼性向上
・営業活動の効率化と、売上機会創出
・顧客コスト削減と、顧客満足度向上
・競合他社に対する明確な差別化

 

 

（参考）WeChat連動による情報シームレス化

 

 

 

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