上海物来喜電子商務有限公司

【中国G37】 日系企業が知るべきブログが生む「静かなる商機」2025.10.19

 

 1. 成功事例から学ぶ中国市場での信頼構築術

①毎日のホームページ更新やコンテンツ作成
について 頭を悩ませていらっしゃいませんか。

 

特に「ブログ」や「お役立ち情報」と名のつ
くページには、ある共通の悩みが潜んでいる。

「技術情報を載せたが、アクセスは社内の人間ばかり」
「そもそも、BtoBでブログなんて、誰が読むの？」

 

 

②その疑問、もっともですが、逆に申し上げます。

日系BtoB企業で、ホームページに強い集客力と
信頼を築いている会社は 「例外なく」、「ブログ」
を見込み客との対話の場として昇華させている。

 

 

③今回は、日系BtoB企業のホームページを徹底
分析し、 ブログコンテンツで成功を収めている
企業の事例とその背景についてお話する。

 

 

 

 2. なぜ今、BtoB企業にこそ「ブログ」なのか

①３つの静かなる変化

中国市場において、BtoB取引の意思決定
プロセスは 以下のように大きく変わった。

　・調査の主役が変わった
　・信頼の構築プロセスが変わった
　・日本品質の伝え方が変わった

 

 

②【変化❶】「調査」の主役が変わった

⑴ かつては人脈や展示会が主流だった情報収集。

今やエンジニアや購買担当者はすぐに
検索エンジンの検索窓に入力し始める。
　　　↓
実際、中国の技術調査では百度 (Baidu) が依然
として重要な役割を果たしているが、国際的な
技術情報や先端技術についてはGoogleや Deep
Seekなどの AI検索エンジン利用も増えている。

 

 

⑵ つまり、 貴社の潜在顧客はすでに、 Googleや、
Baidu、DeepSeekの「向こう側にいる」のである。

 

彼らは今この瞬間も、解決策を
求めて、検索を繰り返している。
　↓
具体的には中国のBtoB購買プロセスのうち、約70%
がデジタルチャネルを 通じて行われ、 購買担当者は
「平均 12件のデジタルコンテンツ」に 目を通した上
で意思決定を行っているという調査結果がある。

 

 

③【変化❷】信頼の構築プロセスが変わった

⑴ いきなり、営業メールや電話があっても、
中国の企業担当者は 簡単には扉を開かない。
　　↓
その前に自社で情報を収集し、貴社
の以下の点を、何度もチェックする。

「専門性があるか、信頼できるパートナーか」

 

 

⑵ その判断材料の中心がホームページであり、特に、
役に立つ情報を発信し続ける 「ブログ」なのである。

 

中国市場では、特に信頼構築
に、時間がかかる傾向がある。
　　　↓
直接のアプローチよりも継続的な価値提供を通じ
た「間接的なアプローチ」の方が、効果的である。

 

 

④【変化❸】「日本品質」の伝え方が変わった

⑴ 「高品質」「信頼性」という 言
葉だけではもはや差別化できない。

それを以下のような、具体的な実績とノウハ
ウの開示を通じて初めて、その価値は伝わる。

　・具体的な技術ノウハウ
　・問題解決のプロセス
　・導入事例

 

 

⑵ 中国のビジネスパーソンは抽象的な価値提案では
なく、 具体的な「データ」と「実績」を求めている。

日本品質の価値を伝えるには、それを
具体的な数字と事例で示す必要がある。

 

 

⑤ブログの本質的価値

「優れたブログ」は訪問してきた見込み客に専門
　性を示し、静かに信頼を積み重ねる「営業の要」。
　　↓
　これは、中国市場のように広大で多様な市場
　において、 効率的な営業リソース配分を実現
　する手段として、極めて有効である。

 

 

 

 3. 成功する日系BtoB企業のブログ戦略10選

【ブログ戦略❶】三菱電機（中国）有限公司

⑴ 特徴：

多岐にわたる製品カテゴリーごとに、技
術解説や導入事例を豊富に掲載している。
　　  ↓
IoTを活用したソリューション事例は、具体的な
工程改善や コスト削減効果を数字で示し、 顧客
のビジネス課題に直接応える内容となっている。

 

 

⑵ 背景：

ソリューション提供者としての
立場から情報を体系化している。
　　　↓
「どのように顧客の工場をスマート化するか」とい
う視点でコンテンツを設計し、高度な技術を、中国
現地のエンジニアが理解しやすい平易な言葉と図解
で説明することに注力している。

 

 

【ブログ戦略❷】小松製作所（コマツ）中国

⑴ 特徴：

建設機械の巨人らしく、 鉱山や大規模
建設現場での導入事例が圧倒的に豊富。
　　　↓
ダンプトラックや 油圧ショベルなど、 １機種
ごとの性能紹介ではなく、「採掘効率の最大化」
「安全性の向上」といった顧客のKPIに紐づけ
た記事構成が核心である。

 

 

⑵ 背景：

中国市場における大型プロジェクトは、国家
戦略と連動することが多いという特性がある。
　　　↓
ブログコンテンツも、単なる製品紹介ではなく、
「中国の産業発展に如何に貢献しているか」を
ストーリー仕立てで伝えることで、 政府や大口
顧客との信頼構築に役立てている。

 

中国の「一带一路」や「新基建」といっ
た、 国家戦略に沿った事例展開が効果的。

 

 

【ブログ戦略❸】キーエンス（中国）有限公司

⑴ 特徴：

ブログ（製品情報・ソリューション）は、
業界・課題別に 細かく分類され、以下の
ように現場の技術者が そのまま検索しそ
うなキーワードで記事が構成されている。

「接着剤の塗布量管理が課題」
「微細な傷の検出が難しい」

 

 

⑵ 背景：

キーエンスの強みは、その直営販売体制に裏打ち
された、圧倒的な市場・顧客課題の把握力にある。
　　　　　↓
ブログは、営業部隊が日々収集してきた「生の声」
をコンテンツ化したものであり、これが高い検索
エンジンからの流入と、課題を抱える技術者の心
を掴む設計となっている。

 

中国市場の多様な製造業セグメントに対応
したきめ細かい課題設定が成功要因である。

 

 

【ブログ戦略❹】SMC株式会社（中国）

⑴ 特徴：

以下を定期的に発信している。

・自動化設備の設計ノウハウ
・省エネ・コスト削減に役立つ技術情報 など
　　↓
自社製品の使い方に留まらない「業界全
体の知識基盤」を提供する姿勢が見える。

 

 

⑵ 背景：

空圧技術は多くの製造業の基盤と
なるため、顧客は、多業種に及ぶ。
　　　↓
特定の製品ではなく、「自動化」という大
きなテーマで顧客を集め、 その中でSMC
のソリューションの優位性を説く という、
いわば「囲い込み戦略」が成功している。

 

中国製造業の自動化・省人化ニーズの高ま
りを的確にとらえたコンテンツ戦略である。

 

 

【ブログ戦略❺】オムロン（中国）有限公司

⑴ 特徴：

「企業情報」と「製品情報」の間に「ソリューション」
　を明確に位置づけ、製造現場のあらゆる課題（品質
　理や、省人化、トレーサビリティなど）に 対して、
　オムロンの技術を どう組み合わせて「解決するか」
　を提示している。

 

 

⑵ 背景：

単品のPLCや、センサーを売るのではなく、
「オムロンらしい自動化」 という ブラン
  ド価値を醸成することを目的としている。
　　　　　↓
ブログは、その哲学を具体例を通じて繰り
返し伝え、顧客との価値観の共鳴を生み出
すプラットフォームとなっている。

 

中国市場におけるスマート製造の潮流を
先取りしたビジョン提示が効果的である。

 

 

【ブログ戦略❻】コニカミノルタ（中国）投資有限公司

⑴ 特徴：

BtoB領域では、特に液晶パネルや、半導体製造
プロセス向けの 「計測技術に関する」専門性の
高い技術記事や、 業界動向の分析レポートを情
報発信している。

 

 

⑵ 背景：

高度な技術が求められる産業分野では、 顧客
はサプライヤーに「深い専門知識」を求める。
　　　↓
自社の技術力をアピールするだけでなく、業界全
体の課題を共に考える「パートナー」であること
を示すことで、大口顧客との長期的な関係構築を
目指している。

 

 

【ブログ戦略❼】住友重機械工業（中国）

⑴ 特徴：

ブログというより 「技術レポート」や「導入事例」
の形式で、 自社設備を導入した顧客がどのような
技術的課題をどのように克服したか、 その詳細な
プロセスを紹介している。

 

 

⑵ 背景：

高額な産業機械の購入では、
顧客の意思決定は極めて慎重である。

同じような課題を抱える他社の成功事例
は、最も説得力のある営業ツールとなる。
　　　↓
この「証拠」を言語化・可視化し、見込み客の
不安を払しょくするコンテンツを提供している。

 

中国市場において、特に競合の多い産業機械分野で
は、具体的な導入実績とその効果の可視化が不可欠。

 

 

【ブログ戦略❽】日本電産（中国）有限公司

⑴ 特徴：

各事業領域ごとに、技術トレンド (例：EV用モータ
ーの小型化・高効率化）や、自社が提供するバリュ
ーチェーン全体のソリューションを紹介している。

 

 

⑵ 背景：

M&Aにより、事業領域を拡大してきた同社にとって、
ホームページは「日本電産グループ」 としての一体感
と各事業の専門性を 同時に発信する重要な媒体である。
　　　　↓
ブログを通じて、「共通の技術基盤の上に」 多様な、
ソリューションが存在することをアピールしている。

 

 

【ブログ戦略❾】デンソー（中国）投資有限公司

⑴ 特徴：

自動車部品のトップサプライヤーとして、環境技術、
安全技術、そしてコネクティッド技術に関する先端
の「研究開発内容」を積極的に発信している。

 

 

⑵ 背景：

自動車産業の 「CASE」という 大きな変革の波の
中で、デンソーが将来にわたって、重要なパート
ナーであり続けることを示す必要がある。
　　　　↓
ブログはその技術的「リーダーシップ」と
「未来ビジョン」を伝える場 となっている。

 

 

 

 4. まとめ（成功企業に共通する、たった一つの原則）

①10社それぞれのアプローチは違えど、
その根底に流れる原則は一つです。

 

それは「顧客の課題を解決したい」という
視点で、コンテンツを設計している点です。

・キーエンスは「傷の検出方法」を教える
・SMCは「設計のノウハウ」を共有する
・住友重機は「同じ課題を克服した」声を届ける

 

 

②彼らはブログを「顧客にとっての問題解決の
ヒントが集まる図書館」として、捉えています。

　この顧客視点の徹底が、 結果として自社の
「専門性」や「信頼性」を高め、 静かなる勝
　機 (ビジネスチャンス) を生み出しています。

 

 

③中国市場においては、特に日本企業の技術力
や品質の高さは認識されていながらも、それが
「具体的にどのような価値を生むのか」が伝わ
りにくいという課題があります。

 

 

④成功している日系企業は、
この課題を「ブログコンテンツを通じて」
克服し、自社の強みを具体的な顧客メリ
ットに変換して、情報発信しています。

 

 

※ブログ戦略にある分析は各社の公開されているホームペー
ジコンテンツを参照し、その傾向と背景を考察したものです。

 

 

 

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